「いま、何のために勉強しているのだろう?」 「日々の仕事に追われ、自分自身の『志』を見失いそうになっている……」
そんな思いを抱くことはありませんか?
激動の幕末から明治、大正、昭和を駆け抜け、「日本実業界の父」と称された渋沢栄一。彼が残した名著『論語と算盤(現代語訳)』を読み解くと、私たちが現代を生き抜き、次の世代へ大切なものを伝えるための大きなヒントが見えてきました。
今回は、渋沢栄一の思想を中心に、私の敬愛する吉田松陰との共通点や、現代における「道徳と経済」のあり方について深く考察します。
1. 「利他」を貫いた渋沢栄一と、三菱の創始者・岩崎弥太郎
渋沢栄一は、第一国立銀行(現・みずほ銀行)をはじめ、王子製紙、東京電力、JRなど、約480社もの会社設立に貢献した怪物です。百姓の出身から実業界のトップへと上り詰めた彼の生涯は、まさに波乱万丈そのもの。
同じ時代を生き、同じく土佐の郷士(下級武士)出身から這い上がった三菱の創始者・岩崎弥太郎とも深い接点がありました。しかし、渋沢の生き方は岩崎とは一線を画していました。
彼が貫いたのは、決して「利己」ではなく「利他」の精神です。
この徹底した利他の姿勢には、私が好きな吉田松陰のいう「志を貫き通す生き方」が色濃く重なって見えます。
2. 渋沢栄一と吉田松陰の驚くべき共通点
吉田松陰は安政の大獄により、わずか30歳という若さでその生涯を閉じました。「もし松陰があと10年、20年長く生きていたら、渋沢栄一とどんな接点が生まれていただろうか?」と想像せずにはいられません。
実は、この二人には驚くほどの共通点があります。
- 若き日からの圧倒的なインプット
- 渋沢栄一: 6歳から従兄の尾高惇忠より『論語』をはじめとした日中古典を学ぶ。
- 吉田松陰: 幼くして長州藩の兵法指南として活躍し、猛勉強を重ねる。
激動の時代背景もあったでしょう。しかし、「10代後半という若さで己の中に確固たる『志』が芽生えるかどうか」の分岐点は、やはり若くしてどれだけ貪欲に勉学に励んだかにあるのだと強く実感させられます。
親として今、想うこと 「何のために勉強するのか」――。この本質的な問いを、今一度我が子たちにも意識させ、しっかりと伝えていきたいと強く思わされました。
3. 「道経一体」の教え――道徳と経済は切り離せない
武士道や論語に共通する最たるものは、「道徳心の大切さ」を説いている点です。
先日、私は廣池千九郎が提唱する「道経一体(どうけいいったい)」のセミナーに参加するご縁がありました。「道徳と経済は切り離すことができない」というこの思想は、まさに渋沢栄一の『論語と算盤』の精神そのものです。渋沢の思想が、後世のこうした道徳経済学の発展に大きな影響を与えていることは間違いありません。
ビジネス(算盤)で利益を追うことと、人としての正しい道(論語)を歩むこと。この両輪が揃って初めて、社会は持続可能なものになります。
4. まとめ:今の時代に照らし合わせて、自分に何ができるか
現在、私はNHKの大河ドラマ『青天を衝け』を観ながら、渋沢栄一の生涯をさらに深く勉強している最中です。多くの英傑たちが命を燃やしたこの時代背景は、見れば見るほど心が熱くなります。
歴史を学ぶ面白さは、当時の人々の目線や思想に没入することだけではありません。一番大切なのは、「今の時代に照らし合わせて、自分には何ができるだろうか?」と自問自答することです。
先人たちが命がけで繋いでくれたこの日本で、私たちはどんな志を持ち、どう社会に貢献していくのか。今こそ、自分自身の「論語と算盤」を見つめ直す時かもしれません。


コメント